最近、よく耳にする病名であり、病院で診断された方も多いと思います。ひとつは、レントゲン、MRI,CT検査などの医療の進歩により明らかになってきたことが大きい。
圧迫される部位により、4つのタイプに分かれる。
◆神経根型 脊髄神経から枝に伸びる神経の付け根が圧迫され神経症状を起こしたもの。
◆馬尾神経型 脊髄神経の終末部(腰仙部)が圧迫され神経症状を起こしたもの。
◆神経根+馬尾神経(混合型) 神経根部を圧迫し、さらに馬尾神経も圧迫する。
◆血管性(動脈硬化など) 動脈が断続的に血流傷害を起こし、神経への栄養が不十分となり、神経が支配している領域がしびれたり痛みをだす。
椎体のトゲ(骨きょく)、椎孔部の骨の狭小化、脊椎周囲の靭帯の肥厚、椎間板の突出などにより脊柱管が狭くなり、そこを通る神経を圧迫する。
腰痛
お尻痛
太もも痛
膝周り痛
ふくらはぎ痛
足底痛
このように腰から下に痛み、しびれ、筋力低下など脱力感の症状がでる。神経根圧迫の場合、圧迫された下肢片側に出るのがほとんどである。馬尾神経圧迫の場合、両足に症状が出ることがある。血管性の抹消動脈圧迫の場合、
歩行障害(間欠性跛行)
立ち続けるとしびれる。
悪化、重度であれば、泌尿器障害などを伴うことがあります。(わずか5%ほどの症状)
症状の中でも、特徴的で、多くの方が出る症状に、間欠性跛行(かんけつせいはこう)というものがあります。歩くと次第に足がしびれ、止まり休憩が必要になります。一休止すると症状がおさまり、また歩けるようになる。これの繰り返しで、足にしびれ、痛みがでる。生活に支障をきたすもの。腰をかがめ歩くと楽で、伸ばすと辛い。歩く距離が徐々に狭まってくると、悪化していると言えます。
一番多いのがこのタイプ。症状が、圧迫された側の下肢(片側)に、しびれ、痛み、筋力低下、脱力感、灼熱感など、運動障害、知覚障害の神経症状がでる。歩くのに腰を伸ばして歩き辛くなる。
症状が、両下肢にでる。特にお尻から太ももにかけて強く現れ、股間部や仙骨部に違和感が出ることも。症状が重い場合、陰部や肛門まわりの感覚が鈍くなり、失禁、便秘など泌尿器障害を起こす。
歩くと徐々にしびれてくるが、神経根型と違うのは、腰を曲げなくても、小休止すれば、症状はおさまる。比較的、下腿部(ふくらはぎより下)に症状が強くでる。足が冷えるなど。
腰の神経圧迫の場合、退行性変性、即ち、老化である。腰の骨、靭帯、椎間板など機能性の低下、筋肉の硬化、血流低下により起こす。そこに、運動不足、逆にオーバーワーク(過労)など要因が重なり発祥する。脊柱管狭窄症は、退行性変性によるものなので、数年掛けて徐々に悪化してきている。ぎっくり腰、椎間板ヘルニア、坐骨神経痛などの経験者は、脊柱管狭窄症になる確率は、普通の人より高いと言われている。激しい痛みがなくても、腰が常に重い、中腰姿勢から腰が伸びにくいなど、過去をさかのぼり思い出せば、軽い症状があったと思う。気をつけたいものです。
結論から言えば、手術によらず保存療法により改善することはできる。もっとも多い、神経根型の脊柱管狭窄症は、手術で治すしかないのではないかと思っている方がいる。実際に、手術して痛みなど症状が軽減してもしびれが残っている人もいる。手術をしなくても症状が改善し、快適に日常生活を回復している方は多い。症状が改善しても、レントゲンでは、ほとんど変化はみられなかったりする。あまり、レントゲンでの結果に思いつめる必要はありません。